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養老天命反転地記念館・養老天命反転地オフィス
波打つように傾斜した床、床を反転させた天井、さまざまな高さをもち、家具としても機能する壁など、建築と身体との関係を変える実験的な建築物です。 館内には荒川・ギンズ両氏によるドローイングやコンピュータグラフィック作品が展示されているほか、養老天命反転地制作に至るまでを荒川氏自らが語るハイビジョン番組も常時放映しています。
不死門
一見、竹林のようにも見えるこのモニュメントは、養老天命反転地の構想時から荒川氏のプランにあったもので、養老天命反転地へのゲートと位置付けられています。 足もとには、「養・老・天・命・反・転・地」の七つの文字がデザインされ、銅板に包まれた猫やうさぎ、小鳥、蛇が配置されています。銅板という人工的な素材で、動物や竹といった自然を閉じ込めることで、与えられたもの一切を否定するという、作者の意思を表しています。 ゲートといえば、日本古来の鳥居を思い浮かべますが、鳥居はもともと2本の竹から始まったもの。この不死門は、現在の形式に至るまでの人工的な装飾を取り除き、原点に立ち返った門でもあります。
昆虫山脈
不死門の東側に点々と置かれた岩は、記念館の前で大きな岩山を形成します。この上にはポンプが置かれ、水を汲み上げることができます。一見、原始の自然を思わせるこの風景も、荒川氏の細かな指示で作られたもの。 「人間は与えられた自然だけに服従しなくても、こういうもう一つの自然というものを創ることができる」という荒川氏の言葉が思い出されます。 なお、昆虫山脈という呼称は、水を求めて山をよじ登る姿を昆虫になぞらえたものです。
極限で似るものの家
屋根が岐阜県の形をしており、迷路状の内部にはテ−ブルやソファ、バスタブ、ベッドなどがいたる所に取り付けられ、壁によって分断されています。天井部分に目を向けると、そこには地上部分をそのまま反転した世界が広がっています。
精緻の棟
「楕円形のフィールド」へ向かう斜面の途中にあり、メインパビリオン「極限で似るものの家」の一部と同じ構造になっています。その他のパビリオンもすべて「極限で似るものの家」を分割したものです。 「楕円形のフィールド」を見下ろす前に、このパビリオンの中に入り、壁の小さな穴から外界を覗くことにより、これから見る景色を予想することができます。
白昼の混乱地帯
いくつものソファと流し台が置かれています。はるか遠くにも同じセットを見ることができますが、これは「運動路」と呼ばれ、同じ家具、同じ構造で作られています。
地霊
緑のフィールドの中で、ひときわ鮮やかな黄色の入口が目を引きます。中は薄暗く、手探りで進まなくてはなりません。明かりがもれてくる終着点で天井を見上げると、日光が日本列島の形を作り出していることに気付きます。
もののあわれ変容器
一見、水平な部分がありそうですが、どの箇所もわずかな傾斜を持っています。ベッドをかたどったオブジェと入り組んだ壁が作り出す通路は狭く、何度も通過しているうちに、平衡感覚を奪われることになるでしょう。
宿命の家
「楕円形のフィールド」に横たわる最も大きな日本列島の中央部分、ちょうど岐阜県の位置にあり、パビリオン自体も岐阜県の形をしています。廃墟のような低い壁、ガラスの床の下に埋め込まれた家具が特徴的です。
陥入膜の径
「楕円形のフィールド」のほぼ中央に配置されています。「精緻の棟」と同じ構造をもち、レンジやテーブルセットが取り付けられています。ここへ向かう道は傾斜がきつく、立って歩くことは困難です。
想像のへそ
外観は「陥入膜の径」とよく似ていますが、内部構造は「もののあわれ変容器」と同一です。屋根の有無により印象が異なるようです。
運動路
大きな日本列島の九州付近に位置するパビリオンです。低い壁に囲まれたソファに座ってみると、立っているときとは違う感覚に気がつきます。
切り閉じの間
「地霊」と対になっているパビリオンですが、こちらには導入部分を設け、真っ暗な闇を作り出しています。同じ構造でも、視覚を奪われると終着点への到達が困難になります。